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はむ院長の健康講座 その20
<<前回 筋膜と東洋医学-「だから、筋膜は「第二の骨格」と呼ばれているんだよ」
筋膜が固まるとどうなるの?
「前回は筋膜(きんまく)について説明したよ」「筋膜は全身と筋肉を包む膜、でしたよね」
「うんうん、筋膜はどういった仕事をするんだったかな?」
「身体の形を保ったり、センサーがあったり、スムーズに運動する為に役立ったりしてます」
「そうだったね、人間が生きる為にとても大切な仕事をしてくれているんだよ」
「今回は、その筋膜が固まったらどうなるか、という話だよ」
「筋膜は固まるんですか!」
深筋膜について
「その前に一つ、深筋膜について補足で説明させてもらうよ」「深筋膜ってなんでしたっけ」
「深筋膜は、皮下脂肪と筋肉を隔てる筋膜の事だよ」
「実はこの深筋膜、三枚が重なってできているんだ」
「三枚がセットになっているんですか」
「うん、繊維が「縦」「横」「斜め」になった三枚が重なっているんだよ」
「なんでそんな構造に?」
「全ての方向に自由に伸び縮みする為だよ」
「なるほど」
深筋膜とヒアルロン酸
「そして、三層の間には「ヒアルロン酸」というものが入っているんだよ」「なんか聞いた事あります、美容液とかに入ってる奴です」
「ヒアルロン酸は、非常に沢山水分を蓄える事ができる物質なんだ」
「ふむふむ」
ヒアルロン酸の役割
「ヒアルロン酸は各層のクッションであり、潤滑剤でもあるんだ」「かなり役に立っているんですね」
「ヒアルロン酸のお陰で、深筋膜はスムーズに伸び縮みして滑り、深筋膜で隔てられた全身の各パーツも、同じようにスムーズに動く事ができるんだ」
「なるほど、スムーズに動く為に深筋膜とヒアルロン酸は役に立っているんですね」
準備運動をすると・・・?
「そしてヒアルロン酸は温まる事で潤滑性が増すんだ」「ふむふむ」
「だから運動前に準備運動をする事で、筋膜や関節にあるヒアルロン酸が温まって、怪我の防止になるんだよ」
「ヒアルロン酸を温める為に準備運動するんですね!」
「以上が深筋膜とヒアルロン酸の追加説明だよ」
「なるほど」
健康なときの筋膜
「筋膜が固まったらどうなるか、という話に戻るよ」「はい」
「前回も話したけど、筋膜はコラーゲンとエラスチンという繊維が網の目状になっているんだ」
「そうでしたね」
「網の目の間には、サラサラした細胞間基質(間質)(さいぼうかんきしつ(かんしつ))があるんだ」
「サラサラ液状なんですよね」
不健康だと筋膜はどうなる?
「健康な状態の間質はサラサラしているんだよ」「不健康だと違うんですか?」
「ぎゅっと圧迫されたりして密度が高くなると、間質の水分が減ってしまうんだ」
「水分が減るとどうなるんですか?」
「間質がゼラチン状になって、ドロドロになってしまうんだよ」
「サラサラからドロドロになるんですか!」
ドロドロな間質だと?
「間質がドロドロになった筋膜は、動きが悪くなるんだ」「動きが悪くなるとどうなるんですか?」
「筋膜の一部がぶ厚くなったり、シワになったりするんだよ」
「シワですか!」
「筋膜は伸び縮みするから、シワはできて当然なんだけどね。健康な状態なら自然とシワは伸びるんだよ」
「不健康だと伸びないんですか」
「ドロドロで動きが悪いから、シワのままになってしまうんだ」
ドロドロなヒアルロン酸?
「そして、深筋膜にあるヒアルロン酸もまた、ドロドロになってしまう物質なんだ」「ヒアルロン酸もですか!」
「うん、ヒアルロン酸がドロドロになると、深筋膜がスムーズに動く機能も損なわれてしまうんだ」
間質やヒアルロン酸がドロドロになるとどうなるの?
「筋膜がシワになったり、ヒアルロン酸がドロドロになるとどうなるんですか?」「筋膜のあらゆる機能が低下してしまうんだよ」
「あらゆる機能ですか」
「では順番に、いくつか機能低下を説明してみるよ」
「お願いします」
その1-姿勢が悪くなる
「第一に、姿勢が悪くなるよ」「姿勢ですか」
「筋膜は全身の形や姿勢を保っているからね」
「ふむふむ」
「全身の、左右や前後のバランスが悪くなったりするんだ」
姿勢が悪くなると肩こりや腰痛の原因に
「そうするとどうなるんですか?」「姿勢のバランスが悪くなれば筋肉にも負担がかかるから、肩こりや腰痛の原因になりえるよ」
「なるほど」
その2-運動能力の低下
「第二に、運動能力が落ちるよ」「運動ですか」
「筋膜は全身の筋肉や関節が協力しあってスムーズに運動できる様に働いているんだ」
「ふむふむ」
「その機能が落ちる事によって、あらゆる運動能力が低下してしまうんだよ」
運動能力が低下すると?
「スポーツだけでなく、歩行等の日常動作にも影響が出るからね」「困りますね」
「転んで怪我をしたり、様々なトラブルの原因になりえるんだ」
「なるほど」
その3-痛み
「第三に、痛みが起きるよ」「痛みですか」
「筋膜は痛みのセンサーとして働いているよ」
「はい」
「まずは、そのセンサーの誤動作で痛みが起きるよ」
「それはわかりやすいですね」
センサーの誤作動が痛みやコリの原因の可能性も
「更に、関節や筋肉の動きを検知するセンサーも筋膜にはあるんだ」「ふむふむ」
「それらが誤動作することで、筋肉が誤動作してしまうんだ」
「筋肉の誤動作ですか!」
「必要無い筋肉が誤動作することで、「痛み」や「コリ」が発生する原因になるんだよ」
「なるほど、そこでも「痛み」と「コリ」が出てしまうんですか」
首肩こり、五十肩、腰痛、頭痛の痛みは筋膜が関わっているかも
「おおまかには、筋膜が固まるとこんな不具合が全身に起きるんだ」「なるほど、かなり厄介なのはわかりました」
「具体的には首肩こりや五十肩、腰痛や頭痛など、筋肉や関節の痛みには筋膜が関わっている可能性が高いんだよ」
「筋膜が固まるだけで色んな症状が出てくるんですね・・・」
「もちろん、全ての肩こり等が筋膜のせい、という訳では無いんだけどね」
「全ての原因では無いんですね」
現代医学では・・・
「現代医学では、「筋膜性疼痛症候群(きんまくせいとうつうしょうこうぐん)(Myofascial Pain Syndrome:以下MPS)」という名前で呼ばれたりするんだ」「MPSですか」
「MPSは筋肉への過度の負荷や栄養不足、冷え等によって起きるとされているよ」
「ふむふむ」
東洋医学的にも・・・
「東洋医学的にも、それらの症状は生活習慣の乱れから来ていると考えるから、通じる部分があるんだ」「なるほど」
「次回は、現代医学と東洋医学から見た筋膜の不調に対する考え方や、治療法について説明するよ」
「はい、お願いします」
※参考文献 医道の日本 2015年4月号
>> 筋膜と東洋医学-現代医学と東洋医学からの筋膜へのアプローチ
<< 未病と未病治その1-「ちょっと調子が悪いとかそういう事ですか?」
<< 未病と未病治その2-「サプリや薬はどうですか?」
<< 未病と未病治その3-「なんか悪霊モンスターみたいなのがいるんですか?」
<<未病と未病治その4-これからは予防医学の時代だ!
<< 未病と未病治その5-「腰痛や肩こりの治療を受けたら、知らないうちに体質改善もされるという事ですか!」
<< 花粉症治療-「花粉症体質とサヨナラできるんですか!」
<< 冷え性治療-「冷え性って治せるの?」
<< 頭痛治療-「慢性頭痛って治せるの?」
<< 五月病-「心臓は心のコントロールセンターなんですね」
<< 内蔵時計-「一日の中でも各時間に対応した臓器があるんだよ」
<< 腰痛治療1-「腰痛って治るんですか?」
<< 腰痛治療2-「東洋医学では腰痛の原因は4つあると考えるんだ」
<< 春先にだるくなる-「意味もなくイライラしたり、頭が重かったり・・・日中眠い感じがするの」
<< 夏バテその1-「夏バテって、疲れたり食欲が無くなったりする奴ですか?」
<< 夏バテその2-「それがクーラー病ってやつですか?」
<< 夏バテその3-「体質によって夏バテのはじまる時期が違うんですか」
<< 夏バテその4-「東洋医学から見た夏バテの分類と、治療について説明するよ」
<< 生活習慣と東洋医学-「今日は「五労(ごろう)」の話をするよ」
<< 筋膜と東洋医学-「だから、筋膜は「第二の骨格」と呼ばれているんだよ」
<< 筋膜と東洋医学-「今回は、その筋膜が固まったらどうなるか、という話だよ」
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