教えてはむ院長
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はむ院長の健康講座その4



未病治に強い東洋医学

「さて、本題だよ」
「やっと本題なんですか」
「うん、今回は未病治には東洋医学がいいというお話だよ」

東洋医学とは?

「そもそも東洋医学って何なんですか?」
「古代中国から三千年の歴史を持つ日本の伝統医療の事なんだ」
「中国発祥なのに日本の伝統医療なんですか?」
「うん、約1400年前に伝来して、そこから明治8年まで約1300年間は東洋医学が日本の医療の中心だったんだよ」
「そうなんですか」
「1300年の間に、日本人の体質や生活習慣にあった形で進化発展を遂げたからね。日本の伝統医療と言っても過言ではないんだ」
「なるほど」
「そこらへんの歴史は語り始めると長いから、また今度の機会にね」
「はい、今回は未病治の話をお願いします」

未病治特化型医療

「そもそも東洋医学は未病治に特化した医療なんだよ」
「そうなんですか」
「うん、中国ではね、「上医、中医、下医」という言葉があるんだよ」
「ほうほう、なんですかそれ、病院のランクですか?」

上医は発病前に治し、中医は発病後に治す

「二種類の解釈があるんだけどね、一つ目は上医は国を治す、中医は民を治す、下医は病を治す」
「上医は政治家とかですか?」
「うん、政治家や思想家が上医、中医で、医者は下医に分類されるんだろうね」
「でもそれは、後世に政治家向けにアレンジされた言い回しなんだよ」
「そうなんですか」
「うん、そもそも紀元1世紀頃の書物では次の様に言われているんだ」
「上医は発病前に治し、中医は発病後に治す」
「下医は無いんですか?」
「後世にヤブ医者として下医が追加されたけど、最初は上医と中医しか無かったんだ」
「ふむふむ」

名医

「本当の名医は、そもそも患者さんを病気にかからせない、という意味なんだよね」
「なるほど、だから未病治なわけですか」
「未病治の達人が上医って事になるよね」

早期発見早期治療

「早期発見早期治療って言いますもんね」
「うん、発病前に治すのが、その究極の形と言えるんだ」
「なるほど」

例えば歯医者さんを例に

「例えば歯医者さんを例にとると解りやすいと思うんだけど、普通は虫歯になってから歯医者さんに行くよね?」
「はい、もう我慢の限界になってから行きます」
「その場合は虫歯を削って、詰め物をして治療が完了するよね?」
「はい、そうですね」
「つまり治療が完了した、完治した状態でも、虫歯になる前には戻れない」
「戻れたらいいんですけどね」

虫歯を未病治=虫歯予防

「じゃあもし、虫歯を未病治できたらどうだろうか」
「いいですね、雲泥の差だと思います」
「コストの面でも、予防するコストと治療のコストを比較すると、予防のコストの方が圧倒的に安いんだよ」
「そうでしょうね、なった後では時間もお金もかかるし痛いし、良い事無いです」
「実際、そういった予防に重点を置いた歯医者さんは近年増えてきているんだ」
「そうなんですか」
「うん、特に歯は失われたら決して生えて来ないし、見た目にもすぐ反映されるからね」
「需要は高そうですね」

完治してもダメージは残る

「それと同じ事が、全身の病気についても言えるんだよ」
「ふむふむ」
「例えば肝臓は、8割を切除しても残り2割が増殖して、半年で元の形に戻ると言われているよ」
「凄いっすね」
「うん、そういった再生能力の高い、例外的な臓器もあるんだ」
「例外なんですか」
「大抵の臓器は失われたら元には戻らないし、筋肉や腱も断裂したら二度と機能が戻らないとか、機能低下する場合が多い」
「ふむふむ」
「火傷や切り傷だって子供の頃のものが一生残る場合が多いよね」
「言われてみれば」

早期なら小さいダメージで済む

「だから普通の病気の場合も「治療して完治しました」と言われても、それは病気になる前に戻ったという意味では無いんだ」
「ダメージが残るんですね」
「病気で受けたダメージも、手術で受けたダメージも、投薬で受けたダメージも残るよ」
「怖いですね」
「うん、だからこそ現代医学でも早期発見早期治療を呼びかけているんだ」
「なるほど、早期なら小さいダメージで済みますからね」

iPS細胞など再生医療にも期待。だけど現状では・・・

「失われてしまった機能を再生させよう、という再生医療も日進月歩で研究されているけどね」
「iPS細胞とかですね」
「うん、でもそれが我々の生きているうちに実用レベルになるか、恩恵を受けられるかはわからない。万能細胞が癌化する等の問題も指摘されているからね」
「一筋縄ではいかないんですね」
「再生医療の一日も早い進歩は私としても切に願うよ」

未病治は一番効率の良い治療

「早期治療の有効性、特に未病で治せれば効率が良いという事は理解してもらえたと思う」
「これからは予防医学が大切ってどこかで聞きました」
「うん、そしてそれを最も得意とするのが東洋医学だという話もしたよね」
「はい」

未病治、なぜ東洋医学なの?

「じゃあ具体的に、東洋医学で何故未病治できるのかという話をしていくよ」
「お願いします」

東洋医学独特の診察方法

「まずは診察方法なんだ」
「診察方法ですか」
「うん、東洋医学の診察は「望聞問切(ぼうぶんもんせつ)」という「四診(ししん)」によって行われるんだ」
「四診ですか、初めて聴きました」

視覚から情報を得る

「じゃあ四診について説明していくよ」
「はい」
「まずは望診」
「ぼうしんですか」
「読んで字の如く、ながめるんだ」
「ふむふむ」
「患者さんの立ち姿、顔色、雰囲気、動作の速度や癖等、あらゆる情報を視覚から得る」
「なるほど、それが望診ですか」

呼吸音や心音から情報を得る

「次が聞診」
「ぶんしんですか」
「うん、患者さんの出す声の音色や、呼吸音や心音、お腹の音を聴くのと、口臭や体臭を嗅ぐんだ」
「なんか臭いを嗅がれるのは嫌ですね」
「現代ではクンクン嗅ぐ先生は居ないと思うけどね、さりげなく臭いも観察するんだ」
「なるほど」
「例えば肝臓が悪い場合とか、特徴的な臭いがあるからね。そういうものを逃さずきちんと把握するんだよ」

質問してカルテを作成

「次が問診(もんしん)」
「はい、お医者さんが色々質問するやつですね」
「これは現代のお医者さんが質問するのと殆ど一緒だね、今までの病歴とか家族の病歴とか、質問してカルテを作成することで現状把握の助けになるんだ」
「なるほど、そこらへんは一緒なんですね」
「30分位かけてじっくり問診する治療院さんもあるよ。」
「それくらい大切なんですね」

現代医療でいうところの「触診」

「次が切診(せっしん)」
「斬られるのは嫌ですよ」
「この場合の切は、触るという意味なんだ」
「ふむふむ」
「我々の治療は、この触るという部分がとても大切なんだよ」
「そうなんですか」

診察しつつ治療も行う

「触る事によって、体温、発汗、部位の硬さ、脈拍等の様々な情報が取得できるんだ」
「必要でも、ベタベタ触られるのは嫌ですよ?」
「診断即治療と言う言葉があってね、指圧マッサージをしながら、切診も兼ねているんだよ」
「なるほど、必要最低限の接触で患者さんの体調の情報も得ているんですか」
「うん」

「病気」ではなく「患者さん」と向きあう

「現代医療ではお医者さんは忙しいから、血液や画像の数値的なデータと、五分程度の簡単な問診で診断しているんだ」
「それが普通ですよね」
「我々東洋医学の立場では、四診にもう少し時間をかけて、特に切診は欠かしてはいけないと考えるんだよ」
「なるほど、立場が違うんですね」
「一人の治療に一時間位はかかるからね、患者さんとそれだけ向き合って四診を行う事ができるんだ」
「ふむふむ」

病院と治療院との併用でいろんな角度から「自分の健康」を知ることができる

「血液や画像はとらないんですか?」
「そういった行為は法律で許されていないから、病院の検査と併用して欲しいんだ」
「なるほど、併用が大事なんですね」
「血液検査や画像診断の結果を教えてもらえれば、我々の治療に役立てる事もできるんだよ」
「きいてわかるものなんですか?」
「西洋医学についても必修科目で色々勉強しているからね、ある程度の医療用語はそのまま通じると思ってくれて問題無いよ」
「ハードル上げましたね」

未病を発見、大病になる前に治療する

「きちんと学んだ東西医学の基礎と、四診経験の積み重ねによって、鍼灸指圧師は患者さんの自覚していない未病まで発見できる様になるんだよ」
「発見できなければ治療なんてできないですからね」


<次回は未病治のための具体的な治療について見ていきます>
>> 未病と未病治その5-「腰痛や肩こりの治療を受けたら、知らないうちに体質改善もされるという事ですか!」


<< 未病と未病治その1-「ちょっと調子が悪いとかそういう事ですか?」
<< 未病と未病治その2-「サプリや薬はどうですか?」
<< 未病と未病治その3-「なんか悪霊モンスターみたいなのがいるんですか?」


<< 未病と未病治その1-「ちょっと調子が悪いとかそういう事ですか?」
<< 未病と未病治その2-「サプリや薬はどうですか?」
<< 未病と未病治その3-「なんか悪霊モンスターみたいなのがいるんですか?」
<<未病と未病治その4-これからは予防医学の時代だ!
<< 未病と未病治その5-「腰痛や肩こりの治療を受けたら、知らないうちに体質改善もされるという事ですか!」
<< 花粉症治療-「花粉症体質とサヨナラできるんですか!」
<< 冷え性治療-「冷え性って治せるの?」
<< 頭痛治療-「慢性頭痛って治せるの?」
<< 五月病-「心臓は心のコントロールセンターなんですね」
<< 内蔵時計-「一日の中でも各時間に対応した臓器があるんだよ」
<< 腰痛治療1-「腰痛って治るんですか?」
<< 腰痛治療2-「東洋医学では腰痛の原因は4つあると考えるんだ」
<< 春先にだるくなる-「意味もなくイライラしたり、頭が重かったり・・・日中眠い感じがするの」
<< 夏バテその1-「夏バテって、疲れたり食欲が無くなったりする奴ですか?」
<< 夏バテその2-「それがクーラー病ってやつですか?」
<< 夏バテその3-「体質によって夏バテのはじまる時期が違うんですか」
<< 夏バテその4-「東洋医学から見た夏バテの分類と、治療について説明するよ」
<< 生活習慣と東洋医学-「今日は「五労(ごろう)」の話をするよ」
<< 筋膜と東洋医学-「だから、筋膜は「第二の骨格」と呼ばれているんだよ」
<< 筋膜と東洋医学-「今回は、その筋膜が固まったらどうなるか、という話だよ」

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